遺言書誰に頼む?弁護士・司法書士・行政書士?のイメージ

■遺言書は誰に相談するのがよいのか?

遺産相続の事前対策として、今最も注目を集めているのが「遺言書」です。遺言書というと一昔前までは、推理小説などテレビドラマの中に出てくるものという印象が強かったかもしれませんが、最近では遺言書作成セットのようなものが書店などでも売られるようになり、遺言書がより皆さんにとっても身近になってきたのではないでしょうか。

 

ちなみに、適切な遺言書を作成しようと思ったときに相談できる専門家には、弁護士司法書士行政書士の3つの職業があります。またさらに遺言信託を扱う銀行なども遺言書の相談などを行なっているケースもあります。そこで今回は、遺言書の作成を依頼する際の専門家ごとのメリット、デメリットについて解説したいと思います。

 

○遺言書作成における専門家ごとの違いについて

そもそも遺言書を扱う専門家である弁護士、司法書士、行政書士、だれに頼んだとしても遺言書を作成する事自体は可能です。仮に自筆証書遺言であれば、たとえこれらの専門家に相談したとしても、最終的には必ず本人の直筆で記載する必要があるため、たとえ弁護士に依頼したとしても弁護士が代筆して書くことはできません。

 

これらの専門家は、ご依頼者の家族構成や資産状況を丁寧にヒアリングし、そこに本人の希望を加味して適切な遺産分割案を提案するとともに、それを遺言文書として書き起こしてくれます。

これを見ながら本人が直筆で書くことで遺言書が完成します

そのため、ここまでの流れについては、弁護士、司法書士、行政書士で大きく変わるところはありません。どちらかというと、専門家個人の相続に対する専門性の方が影響するでしょう

では、いったいどこに専門家ごとの違い、特に弁護士に依頼する事のメリットが発生するのでしょうか。

 

○ポイントとなるのは、相続発生「後」

遺言書の作成を弁護士に依頼する事のメリットが発生するのは、遺言書の作成段階ではなく、その遺産相続が発生した後になります。通常、遺言書の作成を弁護士、司法書士、行政書士などの専門家に依頼をすると、相続に強い専門家であれば、遺言書の作成と合わせて「遺言執行者」についても受任します

 

○遺言執行者とは?

遺言執行者とは、遺言書に書いた内容を相続発生後に確実に実現するために、必要な手続きを実行したり、財産管理をしたりする人の事です。具体的には財産目録を作成し、その中に債権があればこれを督促して回収し、不動産などがあればそれらを遺産分割完了まで適切に管理します。遺言執行者は遺言書で予め指定しておけば、弁護士、司法書士、行政書士の誰でも対応することが可能です。

 

○遺言執行者を指定するメリット

遺言執行者には、遺言書の内容を具体的に実現する権限があるため、遺産分割協議がスムーズに進みます

例えば、遺産分割が開始してすべての相続人が協力的であれば良いのですが、必ずしもそうとは限りません。仮に有効な遺言書が残されていたとしても、相続に伴って銀行口座や不動産登記の名義変更手続きを行うためには、相続人全員の実印による署名捺印と、印鑑証明書の提出が必要になります。ですから、相続人の足並みが揃わないと、手続きが完全にストップする恐れもあります。これに対し遺言書によって遺言執行者を弁護士などの専門家に指定しておくと、相続人全員の印鑑証明書を揃える必要がありません。

多少足並みが揃わなくても、遺言執行者がその権限において遺言書の内容を執行して進めていく事ができるのです。

そしてここにきてやっと、遺言書作成を弁護士に依頼するメリットが出てくるのです。

 

○遺産分割が「紛争化」した場合、対応できるのは弁護士だけ

弁護士以外の司法書士、行政書士、遺言信託などを利用して遺言書を作成し遺言執行者を依頼した場合、万が一相続発生時にその遺言書の内容をめぐって親族間でトラブルが発生した場合、この解決に着手することが出来るのは弁護士だけなのです。

仮に、何のトラブルもなく遺言執行手続きが進むのであれば、極端な事を言えばどの専門機関に遺言書作成を依頼しても変わりません。但し、遺言書の内容によっては相続分の少ない相続人からの不満がわき上がる事も少なくなく、これが原因で遺留分減殺請求をはじめとする紛争が発生する可能性があります。万が一、遺言執行中に親族間で紛争が発生したら、その解決については別途弁護士に依頼しなければなりません。

つまり、遺言書の作成を弁護士に依頼する事の一番のメリットは、「将来の紛争解決についても合わせて対応できる」という点なのです。

いくら腕のいい弁護士でも、揉めているところに途中から介入していくよりも、始めから遺言執行者として関与していた方が、問題の解決がよりスムーズになります。

そのため、遺言書の作成費用が他の専門家より弁護士の方が割高だったとしても、将来の相続発生後のことまで考えた場合、それは決して損なのではなく、将来の紛争を抑制するために必要な出費と考えると良いのではないでしょうか。

遺産相続開始の前に、遺言書で遺産相続トラブルを未然に防ぎましょう

 

エクレシア法律事務所は埼玉県越谷市の新越谷駅・南越谷駅近くにある法律事務所で、複数の弁護士が在籍しております。遺言対応含め、遺産相続・相続放棄ほか、さまざまな案件で実績がございます。越谷市だけでなく、広く周辺エリアの方からお問合せを受けております。春日部市、吉川市、草加市、川口市、三郷市、八潮市、東京都足立区やさらにその周辺エリアの方もご相談を受けております。

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