Q. 相続人の中に何年も前から、家族と絶縁状態の相続人がおり、話し合おうと呼びかけても、遺産分割協議に協力してくれません。遺産分割協議に協力してもらうにはどうしたらいいでしょうか。

A. 協議に参加しない以外の相続人全員が、その協議に参加しない他の相続人を相手方として、家庭裁判所に調停の申し立てをします。申し立てる家庭裁判所は相手方のうちの一人の住所地を管轄する家庭裁判所になります。調停手続きは、通常家事調停委員2名と家事審判官により構成される調停委員会により進められます。調停委員会は、申立人、相手方の両方から順次、遺産の範囲、遺産分割の方法、特別受益の有無といった点について主張を聞き、双方に譲歩を求め、できる限り話し合いによる合意を目指します。合意に至らず、また、相手方が調停の呼び出しに応じない場合は、調停は不成立となり、審判手続きに移行します。審判手続きでは、遺産分割調停とは異なり当事者の合意ではなく裁判官により、遺産の内容や相続人の年齢、職業、生活状況などのすべての事情を考慮した上で、強制的に遺産分割内容を決定します。遺産分割の審判は、判決と同一の効力があり、審判の内容に不服がある場合、高等裁判所に不服を申し立てることもできます。