痴漢・性犯罪
→ 刑事事件も参照
痴漢事件のほとんどが、電車の中で行われておりますが、この痴漢には強制わいせつ罪(刑法第176条)と、各都道府県の迷惑行為防止条例違反とされるものがあります。
埼玉県の迷惑行為防止条例では、いわゆる痴漢行為をした者は、「6月以下の懲役又は50万円以下の罰金」とされ、常習としてした場合には、「1年以下の懲役又は100万円以下の罰金」とされています。強制わいせつになると、「6月以上10年以下の懲役」となります。尚、盗撮行為も迷惑行為防止条例で同様に罰せられます。
条例違反といっても、懲役刑や罰金刑が法定されている点では、刑法犯と同じで、不起訴処分とならなかった場合には、刑を科されることになりますし、前科が残ります。
【 迷惑行為防止条例違反となる痴漢行為の例 】
衣服や下着の上から身体に触れたりした場合は迷惑防止条例になることがあります。比較的、犯行態様の軽いケースと言えます。
【 強制わいせつとなる痴漢行為の例 】
迷惑防止条例違反よりも、悪質なケースで、下着の中に手を入れたり、脅迫まがいのことをしたり、押さえつけたりなどの暴行を加えたりした場合は強制わいせつとなる可能性があります。
家族が逮捕されたとの連絡を受けたら
▼弁護人依頼の重要性
逮捕された方のご家族は、逮捕された方と同様に弁護人の選任権があります。
弁護士は、身体を拘束され取調べを受けている逮捕された方(以下「被疑者」といいます)と面会をし、必要なアドバイスを行うとともに、家族からのメッセージを伝えることができます。
逮捕直後に黙秘権説明や今後の刑事手続きの流れを説明することは極めて重要になります。勤務先への欠勤の連絡など、被疑者は一刻も早く外部の者との連絡を望んでいることが多いと言えます。
▼身柄解放に向けた弁護活動
被疑者は逮捕から48時間以内に検察庁へ連れて行かれます。この手続きを「送検」といいます。
ここで検察官は逮捕された被疑事実について、被疑者の弁解を聞き、その弁解をもとに被疑者に「罪証隠滅のおそれ」(被害者・目撃者との接触により、口裏合わせなどの危険)があるか、被疑者に「逃亡のおそれ」があるかを判断して、裁判所に勾留請求をするか否かを判断します。
勾留決定がされた場合には、被疑者は原則10日間(延長がされた場合には最長20日間)、留置施設にて身体拘束されることになります。
勾留により勤務先を欠勤せざるを得なくなり、様々な心理的・経済的・社会的不利益を受けてしまいます。
したがって、痴漢容疑で逮捕されてしまった場合は、できるだけ早い段階で弁護士を選任する必要があると言えます。では、弁護人はどのような働きをしてくれるのでしょうか。それが、示談交渉です。
▼示談交渉
もちろん、痴漢行為を受けた被害者の恐怖感は簡単に癒えるものではありません。
痴漢被害に遭った被害者は、自らの名前、住所、連絡先を加害者(被疑者)に知られることを恐怖に感じ、捜査関係者も被害者情報を被疑者に伝えることはありません。したがって、弁護士を通さない被害者との接触は事実上不可能と言えます。
弁護士は、被疑者から痴漢行為を行うに至った経緯、痴漢行為の態様を聴取し、捜査関係者からも痴漢行為の態様や被害者に関する情報を聴取したうえで適正と考えられる示談金額を検討したうえで示談交渉に臨みます。
示談交渉がうまくいけば、早期の釈放が可能になります。
ですから、早期解決の鍵は、一刻も早く、弁護士を依頼することです。
▼起訴後の弁護活動
残念ながら、迷惑行為防止条例違反で示談が不調となったときは、多くのケースで、略式手続きによる罰金を納付により事件が終了することが多いといえます。
一方、被疑事実が強制わいせつにあたり示談ができなかった場合、被疑事実について否認している場合には、検察官により起訴がされ公判での刑事裁判を受けることとなります。
弁護人は、まず、保釈を請求して被疑者(以下「被告人」といいます)の身柄を解放してもらう活動をします。
来るべき公判に向けて、被告人に有利な情状を確保して、被告人に有利な判決、すなわち、執行猶予の判決をもらうよう、最大限の弁護活動をいたします。
弁護士費用
事案の性質によって異なりますが、以下は、標準と考えてください。
示談交渉、不起訴起訴猶予処分等により、若干の増額があります。
着手金 | 200,000円~ |
成功報酬 | 150,000円~ |
合計 | 350,000円~ |