売掛金・貸金を回収できず困った場合、回収不能になる前に弁護士に依頼し、法に基づいて債権回収するのがベストです。相手が破産状態になってからでは回収はほぼ困難です。ここでは、弁護士に債権回収を依頼するメリットの大きいケースについて、ズバリ解説します。
債権回収を弁護士に依頼する
それでは、債権回収を弁護士に依頼するメリットがあるかないかのラインをご説明します。
《弁護士に依頼しても回収できないケース》
以下のような場合には、弁護士に依頼しても回収不可能(困難)です。
・相手方が自己破産した(自己破産準備中、自己破産必至)のケース
⇒自己破産することで、一般的には免責により、破産者は債権者に対して支払い義務がなくなります。
・相手方が無資力(無収入、不動産・預貯金等がない)のケース
⇒たとえ支払いを命じる判決を得ても、相手方が無資力ですと、強制執行しても現金化するものがなく、『絵にかいた餅』になってしまうからです。残念ながら『無いところからはとれない』ということです。
※これらのケースでは、たとえ弁護士であっても、どうにもできません。
《弁護士に依頼することが得策ではないケース》
・回収すべき債権額が少額の場合
⇒理論的に回収可能だとしても、費用面で割に合わないからです。例えば、60万円の貸金(売掛金)の回収を考えます。弁護士に依頼し、訴訟で回収したとすると、一般的には40万円くらいの費用が掛かることになります。(尚、現在の裁判制度の下では、この弁護士費用を相手方に支払わせることはできない点を頭に入れておく必要があります。)
⦅内訳⦆着手金(訴訟含む)20万円+成功報酬12万円(回収額の20%を成功報酬と定めた場合)=32万円、これに消費税や諸費用が6万円程度加算されます。
もし判決が出たにもかかわらず、相手が任意に支払わない場合にはさらに強制執行をしなければなりません。この費用だけでも15万円以上はかかってしまいます。そうすると依頼しても手取りが、ほぼゼロとなってしまいます。以上は、相手から60万円満額を回収できた場合を想定しておりますが、何らかの理由で満額回収できないとしたら、その回収できない分が赤字になってしまいます。
どの弁護士も費用のことはあまり言いたくないのですが、避けて通ることはできない要素ですので、ご理解下されば幸いです。
《弁護士に債権回収を依頼するメリットのあるケース》
以上から、弁護士に債権回収を依頼できるケースとは
・回収すべき債権額が一定金額以上で、相手方に収入や不動産等の財産がある場合
ということになります。
弁護士に依頼することのメリット
あなたこの記事をお読みの方は、これまで色々な方法で回収を試みたけど駄目だったのではありませんか。そこで、弁護士に債権回収を依頼した場合のメリットについて解説します。
(1)適切な回収手段を駆使できる
債権回収には、次のような手段があります(詳しくは、『回収手続きの流れ』で説明します)。
1 内容証明による催告
2 相手方との返済交渉
3 保全措置
4 支払督促・訴訟
5 和解交渉
6 強制執行
弁護士に依頼をすれば、相手方の状態等を見て適切な回収手段を組み合わせながら回収を図っていきます。
(2)迅速な対応が可能
当事者間の話し合いでは、ずるずると引き延ばされて債権回収までに時間を要する場合が多くなります。ところが弁護士に依頼しておけば、話し合いで済まない場合にすぐに法的手段に切り替えます。この法的手段を武器にする結果、当事者間での話し合いよりも、債権回収までの時間が短くなります。
弁護士に依頼することのデメリット
(1)弁護士への依頼費用が発生する
デメリットといえば、ただ費用が掛かるということだけではないでしょうか。依頼する弁護士事務所にもよりますが、弁護士に依頼をすると着手金や成功報酬などの費用がかかります。すでに《弁護士に依頼することが得策ではないケース》でご説明しましたが、回収する債権の金額が少額の場合、費用倒れになって依頼する意味がなくなりますので注意が必要です。あらかじめ、費用については相談しておくことが肝心です。当エクレシア法律事務所での費用の概略は次のとおりです。
・着手金 請求金額の8%前後(但し、20万円が最低額となります。)
・成功報酬 獲得金額の10%前後
※裁判所の調停、訴訟手続きを利用する場合は難易度に応じた増額があります。
《 法人等の事業者の方》は、顧問契約を締結していただくことで、個別の債権回収(売掛金回収)については、割安かつ、さらなる迅速な対応が可能になりますので、ご検討ください。
弁護士による債権回収手続きの流れ
弁護士に依頼すると、基本的に法律手続きによって債権回収をすることになります。代表的な回収の流れは下記の通りですが、省略する手続き、並行して行う手続き等もあります。
(1)債権者が弁護士へ相談する
債権者から弁護士に対して債権回収の相談を受けます。
この相談の時点で、債権の状態(借用書、発注書、納品書等)や滞納状況などを確認します。 なお、債権者は滞納状況等を確認できる書類を提出できるようにしておく必要があります。事実に基づかない債権回収はできないので注意しましょう。
また、弁護士費用の説明をします。
(2)債権者が弁護士に依頼する
債権者が相談に納得がいった場合、弁護士への依頼となります。依頼をした時点で、弁護士と「委任契約書」を交わし、期日までに着手金を支払うなどします。
(3)弁護士から債務者に内容証明が送られる
弁護士はまず「督促状」を内容証明郵便にて送付します。内容証明郵便を使う理由は、請求している内容や事実を証拠にすることが可能になるからです。また、弁護士によっては電話で督促を行うこともあります。
(4)弁護士による任意交渉がされる
弁護士が債務者と面会し、支払いの確約を取るように任意交渉がされます。確約内容は書面で残すようにし、強制執行に備えて担保などを確保しておきます。なお、多くの事案ではこの段階で解決します。
(5)弁護士が裁判所を通して民事保全をする
相手方が資産を隠したり、後日債権回収支障を生じさせたりするような場合は、弁護士は予め民事保全をします。民事保全とは、裁判所の許可を取り、債務者の財産を凍結する手続きのことです。これによって相手方の資産隠しを防ぎ、将来、判決を得た時の回収作業を効果的にします。
なお、相手が自己破産・倒産されてしまうと、この民事保全は解消されてしまうので注意が必要です。
(6)弁護士が訴訟をする
相手が任意で支払わない場合には、より強力な手続きで支払いを促す目的と、将来、強制執行をするために債務名義を手に入れる目的で、法的手続きを提起します。
法的手続きには下記の3つがあります。
- 支払督促…証拠がそろっている場合に利用可能
- 少額訴訟…60万円以下の訴訟額にて利用可能
- 通常訴訟…一般的な訴訟方法任意交渉で支払わなかった相手方でも、訴訟手続きになると支払ってくる場合が、結構あります。
- この段階で弁護士がとる手続きは、通常訴訟です。
(7)強制執行手続きを取る
訴訟によっても相手が債務を履行しない場合、強制執行によって預金、給料、不動産等を押さえ、回収を図ります。強制執行は、債権回収手続き上の最終手段です。
債権回収なら弁護士に依頼をする
債権回収が自分ではうまくいかない場合で、最初にご説明した《弁護士に債権回収を依頼するメリットのあるケース》では、費用に納得いただけるのであれば、弁護士に依頼をすることをオススメします。
もちろん、債権者ご自身で手続きをすることも可能です。しかし、債権者は本来業務をして、ビジネスを続けたり、私生活をつづけたりした方が健全です。思わぬトラブルに巻き込まれることを防ぐ意味でも、法的に早期解決を進めたほうが無難でしょう。
まとめ
埼玉県越谷市にある当エクレシア法律事務所は債権回収、売掛金回収についても実績がございます。新越谷・南越谷駅から徒歩3分のところにあるため、周辺のエリアの方もアクセスがしやすくなっておりますので、春日部市や草加市、川口市、吉川市、三郷市、八潮市、東京都足立区、その他近隣のエリアの方はお電話もしくはメールにてご予約いただき、当事務所にお越しいただいて、無料相談を受けてみてはいかがでしょうか。
債権回収は何より早期解決が大切です。まずはご連絡ください。
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