弁護士が関わる民事訴訟のなかでも比較的多いのが、「不動産」に関する紛争事案です。不動産とは簡単に言うと「土地」と「建物」です。不動産は、総じて資産価値の高いものが多く、ちょっとした火種でも非常に大きな損害が発生するケースがあります。また、不動産は、人が住む場所でもあるため、万が一、不動産トラブルが発生すると日常生活にも大きな影響が及ぶ可能性もあります。そこで今回は、不動産紛争トラブルの具体的な事例と実態についてわかりやすく解説します。
■その1:不動産売買トラブル
不動産売買は、非常に大きな金額が動くため、一般的な契約よりもより慎重にならなければなりません。不動産売買取引において登場人物としては、買主、売主、不動産会社の3者です。不動産売買トラブルはこの3者間において発生します。
〇不動産会社とのトラブル
不動産会社との間のトラブルケースとしては、以下のようなものがあります。
・媒介契約におけるトラブル
媒介契約とは、不動産会社に売買の募集を依頼するときに交わす契約です。媒介契約は、一般媒介契約、専任媒介契約、専属専任媒介契約の3種類があり、徐々にその縛りがきつくなっています。
これらの契約の特徴を明確に説明しないまま契約を結んだり、契約を途中で打ち切ったことでかかった実費を請求されたりといった事例が多く発生しています。
・仲介手数料に関するトラブル
不動産売買における仲介手数料は、宅地建物取引業法によってその上限金額が決められていますが、別途コンサル料や広告費を請求されたり、実際に契約に至っていないにも関わらず請求されたりすることがあります。
・契約に関わるトラブル
不動産売買においては、手付金をめぐる争い・トラブルも少なくありません。売主から解除する場合の手付金倍返しのトラブルや、手付金支払い後に不動産会社が倒産したなどといったトラブルもあります。また、土地売買に関するトラブルなども発生します。
■その2:不動産賃貸トラブル
借地や借家などの不動産賃貸は、被害規模は不動産売買に比べて小さくはなりますが、より私たちにとって身近に発生しうるトラブルとも言えます。主な不動産賃貸トラブルは以下の通りです。
・入居中のトラブル
入居中のトラブルで非常に多いのが「騒音トラブル」です。アパートやマンションなどの集合住宅は、音が隣近所に漏れることが多く、それが原因となって住人間でいざこざが発生する事があります。騒音トラブルは、音の発生源を断定する事が難しいため、法的に解決する事は簡単ではありませんが、かといって放置するわけにもいきません。できる限りお早めに当事務所までご相談下さい。
・家賃滞納トラブル
大家側のトラブルとして最も頭を悩ませる問題が「家賃滞納」です。多少の支払いの遅れを容認していると、入居者が油断してしまい、さらにどんどん延滞していく傾向にあります。このようなケースでは、早期対処による督促がとても重要になります。
ただ、この際相談するのは、不動産会社や管理会社ではなく「弁護士」にご相談下さい。不動産会社は入居者に連絡をとる事はできますが、大家さんの代わりに家賃を取り立てる事はできません。これをすると非弁行為となる恐れがあります。
そのため、家賃滞納が発生した場合は、弁護士にご相談下さい。当事務所では、内容証明郵便の送付、支払督促、即決和解、少額訴訟、通常訴訟など、さまざまな法的手段によって対応致します。
・建物明渡しトラブル
家賃滞納が3ヶ月以上続いた場合は、家賃を回収する事よりも、部屋の明渡しを優先する事を考えなければならなくなります。通常このような入居者はすんなり退去しない傾向にありますので、弁護士に依頼をして「建物明渡請求訴訟」を提訴する必要があります。そして最終的には強制執行により、強制的に部屋を奪還します。
・敷金精算トラブル
関東近郊地区は、賃貸契約をするにあたり敷金を大家に預けます。敷金は預かり金であって、原則的には退去時に入居者に返すものですが、入居者の故意過失によって破損、汚損させたものについては、敷金から差し引く事ができます。ただ、大家と入居者で双方の言い分が食い違う事が多く、すんなり敷金精算がすすまない事が多々あります。
当事務所は、大家様、入居者様どちらからのご相談にも対応しております。
■その3:建築紛争トラブル
最近比較的多く見受けられるのが、不動産の瑕疵担保責任問題です。例えば、新築で購入したマンションの外壁タイルが新築後5年程度ではがれるといったような事案は複数発生しています。他にも雨漏りやコンクリートの亀裂など、比較的築年数が浅い時にこれらの問題が発生すると、その補修や改修を誰の負担で行なうのかが買主と売主、施工会社などとの間で争いとなります。
ゼネコンによってはすぐに対応する事もありますが、一部の不動産会社や建築会社で誠意ある対応がないような場合、訴訟に発展する事も少なくありません。
ただ、分譲マンションなどの集合住宅で、区分所有しているような建物の場合、建築会社や売主を訴えるにしても、管理組合の議決が必要になるなどと、何かと手続きが煩雑になります。さらに、相手は不動産のプロですから、対する素人同然の買主側は非常に不利な立場におかれる事となります。
そこで当事務所では、このような建築関係の専門知識が問われるトラブルでより適切な弁護活動ができるよう、一級建築士事務所とも連携しており、建築瑕疵の主張立証においても強い力を発揮致します。
- 「購入したばかりの家が、実は欠陥住宅だった」
- 「タイルが落下して、通行人にあたってしまった」
- 「杭打ち工事にミスがあって、建物が傾いている」
万が一このようなトラブルに直面しましたら、証拠の散逸を防ぐためにもできる限りお早めにご相談下さい。
埼玉県越谷市を中心とした埼玉東部(春日部市、川口市、草加市、八潮市、三郷市、吉川市)や東京都足立区など、対応エリアは広くなっております。まずはご相談ください。
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