Q. 父の死後に遺言が見つかりました。遺言の本文と日付はパソコンで作成されていましたが、署名は自筆されており、押印もありました。この遺言は有効なのでしょうか?

A. 自筆証書遺言は、遺言者が、本文、日付および氏名を全て自書して、押印をしなければなりません(民法968条Ⅰ項)。パソコンで作成した遺言は、本人が作成したものかどうか識別することが難しいので、自書証書遺言としては無効です。ご質問のような、署名だけが自書の場合、秘密証書遺言の部類に入りますが、秘密証書遺言は、作成の際に、公証人に公証してもらう手続きをしなければいけません。そのような手続きを経ていない本遺言では、いずれにせよご質問の遺言は無効です。