- 日時:2018年11月27日(水)
- 場所:名古屋市吹上ホール
- 講師:東京カンテイ名古屋支店
有馬義之 ゼネラルマネージャー - 演題:リニア新時代の到来で変わる 中部エリアの賃貸住宅市場
- 聴講:茅沼 英幸
感想:
不動産の将来的な資産価値の動向と価値を決定づける要因についての非常に興味深い解説でした。不動産の資産価値を決定づける要因は様々ありますが、その中で、今後絶対注目すべきは、「コンパクトシティ構想」です。各自治体には、立地に関する適正化構想を策定しておりますので、ホームページで「・・・市 コンパクトシティ」と検索すれば、その市が将来どこに都市機能、居住機能を集めようとしているのかがわかります。この構想から外れたエリアは、将来、価値が下がるということになります。
これは、5年、10年先の話しというよりは、20年以上先の話になろうかと思います。しかし、人口減少を考えれば、必ず到来する話であることに変わりはありません。弁護士の業務で影響が出るとすれば、遺産分割で不動産がある場合、その評価をする際に影響が出るのではないでしょうか。遺産分割で不動産を評価するにあたっては鑑定書が作られますが、普通の鑑定書では、このような観点を加味した評価額にはなっておりません。したがって、当面の評価額で判断してコンパクトシティ構想から外れた不動産を取得したところ、20年後には下落局面に入ってしまったということはあり得るでしょう。離婚の財産分与で不動産を取得すべきか手放すべきかの判断をする際にも、同様のことがいえるでしょう。気を付けなければならない点です。