専業主婦の方でも、休業損害や後遺症逸失利益がもらえます!

交通事故の損害賠償の内容としては,大別して治療費,休業損害,傷害慰謝料,後遺症慰謝料,後遺症による逸失利益の5つとなります。
これらは,専業主婦の方でも同様です。保険会社は、現実の収入がないことを理由に休業損害はないと主張してくる場合もあります。しかし、専業主婦の方は,実際に仕事をして給料をもらっているわけではありませんが,家事労働に影響が生じた場合には,家族や家政婦に家事を代わってもらわなければなりませんので、休業損害も認められるのです。それだけでなく、後遺症が残れば労働能力が一部失われたことにより、将来の逸失利益も認められます。

では、専業主婦の収入は、幾らと計算されるのでしょうか。専業主婦の家事労働による年収(基礎収入額)は厚生労働省の「賃金センサス」という統計を使うことが広く行われています。もっとも保険会社が提示してくる金額は、自賠責保険の基準である日額5,700円であったり、それより、わずかに高い金額であったりしますので、注意を要します。
あくまで主婦は、「賃金センサス」の「女子労働者全年齢」の平均賃金をベースに決められるべきです。この「賃金センサス」を基に基礎収入額を計算し(日額9,600円くらい)、これに家事を行えなかった期間を掛けて休業補償の金額を計算します。

「賃金センサス」を基にした一日当たりの収入×家事を行えなかった期間=主婦の休業補償

※「賃金センサス」は厚生労働省のサイトから見ることができます。

とはいえ,休業期間(家事ができなかった期間)をどのように証明するかは大きな問題です。この点につきましては,労働者のように勤務先等の第三者に証明をしてもらうことができないことから,保険会社の対応も消極的となる傾向が強いです。休業日数を証明するために、医者の診断書を必要とする場合もあります。いずれにせよ、休業損害を請求する場合には、保険会社の主張に惑わされることなく、早期に弁護士へ相談されることをお勧めします。エクレシア法律事務所は、無料での相談を受け付けておりますので、お気軽にご相談ください。

尚、パートタイマーや内職等の兼業主婦の方の場合には,現実の収入額と賃金センサスの「女子労働者全年齢」の平均賃金のいずれか高い方を基礎収入として評価します。