概要
年金生活者が、住宅ローン残300万円のほか消費者金融等からの借入金220万円があったので、個人再生をして自宅を残した事例
相談者
Aさん60代、男性、年金生活、妻は元パート
相談前
Aさんは住宅ローン付きの自宅を所有し、月額17万円の年金収入があり、残り300万円の住宅ローン毎月3万円宛返済をしています。Aさんの年金と妻のパート収入7万円を合わせれば、なんとか生活が出来ていました。しかし妻が勤務先の人間関係のトラブルからパート先を変えたため収入が少なくなり、Aさんは生活費の不足分を消費者金融等から借入りはじめ、やがて自転車操業状態に陥り、困り果ててご相談に来られました。
相談後
ローンの残額と自宅の価格を勘案して、担当弁護士のアドバイスで、Aさんは自宅を残すために住宅資金特別条項を利用する個人再生手続きを取り、消費者金融からの借り入れを100万円まで圧縮し、住宅を守ることができました。
弁護士からのコメント
Aさんの住宅は、不便な場所であったため評価額が住宅ローン残よりも低く、オーバーローンの状態でした。自宅がオーバーローンの時に考えるのは、自己破産です。例えば1,000万円の価値しかない自宅に2,000万円の住宅ローン残がある場合には、住宅ローンを払い続けて自宅を残すことは、経済的には得策ではありません。ですからオーバーローンの時は、自己破産をアドバイスします。しかしAさんの場合、住宅ローンの返済金は3万円程度ですから、自宅を手放して転居先の家賃を払うよりも安く、自宅を残すことに意味がありました。また、個人再生を利用するには、「収入」があることが要件ですが、「年金」も「収入」に含まれますので、Aさんは、個人再生により消費者金融からの借り入れを100万円まで圧縮し、返済額を3万円近くまで減らすことで、家計が安定することになり無理なく住宅ローンも払えるようになりました。