概要

信販系・消費者金融等からの借入金190万円、滞納家賃約21万円、未払い国民年金35万円のところ、勤務先倒産と統合失調症発症のため生活保護を受給し、自己破産した事例

 

相談者

Aさん、50代、男性、独身、生活保護 統合失調症

 

相談前


Aさんは、30代の頃から派遣社員として働き、信販系の借金はありましたが、遅滞なく返済していました。40代になる頃、正社員採用で転職しましたが、3か月間は試用期間のため収入減となりました。そのため、信販系・消費者金融のカードで生活費を賄い、借金がふくらみました。その後正社員として給料が25万円になりましたが、借金の返済に追われ、6万円の家賃を滞納し始めました。入社して半年後、会社が倒産してしまいました。この頃から統合失調症を発症し、就職もできず借金をさらに増やし、生活が立ち行かなくなり生活保護を受給する事にしました。住んでいたアパートは滞納家賃を払えませんので退去し、生活保護費の範囲内で住める安いアパートに引っ越しました。その後債権者から提訴されましたが、生活保護では借金の返済が出来ないため、困り果ててご相談に来られました。

 

相談後


生活保護の方が借金返済をする事は許されませんので、任意整理や個人再生はできず、自己破産するしかありません。担当弁護士のアドバイスで、Aさんは、法テラスを利用し自己破産手続きをする事にしました。滞納家賃を含めた債務合計175万円で自己破産の申し立てをし、無事免責されました。

 

弁護士からのコメント


勤務先が倒産し、統合失調症を発症し、生活保護受給者となったAさんの立場では破産はやむをえませんが、あまり心配はいりません。まず、生活保護受給者が自己破産する場合、は法テラスから弁護士費用以外に裁判所へ納付する 破産予納金(官報公告費用)が援助されるうえ、援助分の返還も将来就職し再び収入を得るようになるまで、猶予されます(従って、事実上免除されるような結果になります)。注意しなければならないことは、生活保護者が借金や返済をし続けた場合、生活保護支給の停止や保護費返還を求められる事がありますので、借金を抱え込まず、弁護士に自己破産を依頼されることをお勧めします。また、債権者から判決をとられた場合、強制執行を避けるため、自己破産の申立てを急ぐ必要がありますが、Aさんのような生活保護受給者の場合、強制執行される財産がありませんので慌てることなく、まずは弁護士に相談してください。

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