Aさんは、自転車走行中に右折する際、同一方向を走行していた自動車がショートカットで右折をしてきたため巻き込まれ、左母指尺側側副靱帯付着部剥離骨折を受傷されました。Aさんの左手は、親指がそらない、曲がらないというように可動域が限定されてしまいましたが、相手方保険会社からは後遺症認定に必要な間接の可動域の角度に少し足りないという話しで、最初の示談金額も約60万円で提示されていました。
しかし、当事務所では後遺障害の認定を行う価値が充分にあると考えました。そこで、可動域の足りない角度についてカバーするために、陳述書を作成して、Aさんが如何に日常生活に支障をきたしていることや指の付け根の激痛に悩まされているかを詳述しました。この陳述書を添付して申請した結果、Aさんは後遺障害10級の認定を受けることができました。
相手方保険会社は、示談交渉の中で、Aさんが公務員であったため、逸失利益の存在を否定しましたが、実際には、Aさんは今回の受傷のために部署移動をされ、昇給も下がったので、逸失利益は存在することを主張しました。最終的にAさんの逸失利益は認められ、示談金額2,000万円で和解することが出来ました。
Aさんが弁護士に相談することなく示談を行い、後遺障害認定も断念されていたら、本来受けられるべきであった高額の補償が受けられませんでした。Aさんは、今回の獲得金額には、大変ご満足されておられました。