概略

離婚後、元妻が住宅ローンを返済しながら自宅に住み続けたが、返済できなくなり自宅は競売されたが、住宅ローンの残債務が残ったため自己破産した事例

 

相談者

Aさん、30代、男性、会社員

 

相談前

結婚後2000万円の住宅ローンを組み中古住宅を購入したものの、10年後に夫婦関係の悪化からその離婚。Aさんは実家に帰り、元妻は自宅に住み続け自分で住宅ローンを返済することをAさんと約束しました。ところが、その後返済が滞り、自宅が競売されてしまいました競売後の残りの債務が900万円あったようで、今回債権回収会社から請求が来ました。Aさんは、住宅が競売されれば全て清算され住宅ローンも終わると考えていたため、多額の請求に驚くばかりでしたが、Aさんその他にも消費者金融から借りた借金が180万円ありましたので、交際相手との再婚を機に生活の再建を図りたいと相談に来所されました。

 

相談後

Aさんには他にめぼしい財産もなく、弁護士が自己破産をお勧めしたところ納得され、自己破産の申し立てをし、無事免責されました。

 

弁護士からのコメント

Aさんのように、住宅ローンが支払えずに競売された後も住宅ローンが残り、多額の請求を受けることは珍しくありません。これは自宅の価値よりも住宅ローンの残額が高いのが一般的で、しかも競売では時価よりも低い金額で落札される傾向にあるためです。ですから、競売で住宅を失うという選択肢は極力避けるべきです。今回は、離婚が絡んで住宅に住み続けた人が住宅ローンの債務を負っていない人だったため、住宅ローンをきちんと払う意識が薄かったかもしれません。

今回のようなケースではAさんを責めることもできませんので、Aさんに財産がないのであれば、潔く破産して新しい生活に向け家計を健全化する方向に頭を切り替えましょう。

 

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